竜言語(ダギ・テラ)について。

竜言語(ダギ・テラ)

はじめに

 竜言語はダギ、いわゆるドラゴンたちの言葉だ。多くの学者たちはこれがかつて存在した『竜の時代』の原初の自然の法則と理解をそのまま言葉にしたものだとの見解を持っている。すなわち、自然そのものであるドラゴンたちの言葉はそのまま自然現象となる。

 人間がこの言語を行使するには深い自然と世界への理解が必要だが、皮肉なことに人間が持つ知性はしばしばそれを狭隘な感覚と共に邪魔するらしい。よって、習得は容易ではなく、習得すると大抵は浮世離れをしたり、最終的にはドラゴンになってしまう者もいる。ウロンダリアの様々な伝説に出てくる多くの『悪しきダギ』は人間だった者たちであるのも興味深いところ。


 以下に、現在作中で登場した龍言語をまとめておく。なお、固定や擦り合わせはまだない状態なので、確定でない事は注意されたし。

大きい=Da=ダ=下から外側に反る一対の爪痕

黒、黒い=Kara=カラ、カーラ=左上から、右下から、の密着した爪痕

天、空=Mu=ム=下から上へのやや長い爪痕

水=Wu=ウ=中段から下方中央に伸びて交わる一対の爪痕

地=Ma=マ=横一本の爪痕

他者=Na=ナー=下から上への小さ目な爪痕

自分、我=A=アー=下から上への、自分の爪と同じ長さの爪痕

ドラゴン=Dagi=ダギ=左から右に、上、下、に伸びる爪痕

雷=Vas=ヴァス=上下から伸びて触れる爪痕

火=Fa=ファ=下から上に三本並ぶ爪痕。

飛ぶ、泳ぐ=Sul=スル=右斜め上に伸びる爪痕

銀=Mil=ミル=左から右に一本、その上に小さく縦の三本の爪痕

糸、繊細な物=Sil=シル=横一本の爪痕に、両端に右下がりの爪痕

せせらぎ、小川=Nase=ナセ=上から下、内側に交互に湾曲した二本の爪痕

火口、火山=Gluth=グルース=内側上方に伸びる一対と、間を縦断する線の爪痕。

ほとり、近く=Larkh=ラーク=短い十字線の爪痕

破壊、壊す=Dharth=ダース=上下に交互に交差する六本の爪痕

嵐、竜巻=Kal=カル=左右から斜め中央に交互に引かれる四本の爪痕

人間、人型のもの=Ia=イア=短い横線から垂直に伸びる短い縦線の爪痕。したがって『竜人』はダギアとなる。

なぜ? 異なる=Nun=ヌン=縦の線を右から左下に通過する短い爪痕。

尾、振り回すもの、均衡を取るもの=Sweeve=スーヴ=長めの左から右への最低ラインでの横線。

鉛、停止した金属=Vryd=ヴリド=縦二本の下への爪痕に、蓋をするような横一本の爪痕。


現在登場中のダギ(ドラゴン)たちの名前の解説

ダカルダース=DaKalDharth=破壊するような大嵐

・『白い女と嵐の古竜』に登場

ミルシルナセMilSilNase=銀糸のようなせせらぎ

・第五章の予告編『北のアンスリノラ、物知りカルラ』に登場。

グルースラーク=GluthLarkh=火口のほとり

・第五章の予告編『北のアンスリノラ、物知りカルラ』に登場。

カラヴァス=KaraVas=黒い雷

・ネイ・イズニースと行動を共にしている黒いダギドラゴン。彼女に良く慣れている。もともとは天空の『雷竜の空域』近くを縄張りにしていた、古龍の血を少し引く個体。

ヴリドスーヴ=VrydSweeve=鉛の尾

・ウロンダリア編の序章三話に登場した黒い片目のダギドラゴン。『ただれのムルマと鉛の海』に登場予定。長い尾の先がリドキアの『鉛の海』に浸かってしまった事があり、魔法を打ち消す力のある尾を持つ。『戦竜』は騎乗者と共に戦う事に非常に長けており、敵に回してはならない存在。

first draft:2020.08.30

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