NOVEL

『ダークスレイヤーの帰還』

第四話 混沌の花の神ヴァラリス

第四話 混沌の花の神ヴァラリス 西の櫓やぐら、大浴場だったはずの未知の領域。『咲き乱れる妖花の女王』こと混沌カオスの花の神ヴァラリスは、チェルシーの介入に大いに狼狽うろたええていた。「この領域にいる私を討伐する気か? しかし、これは我が本体...
『ダークスレイヤーの帰還』

第三話 ヴァラリスの呼び声

第三話・ヴァラリスの呼び声 魔の都、西の櫓やぐら。「ルイン、おかえりなさい!」 シルニィから受け取った手紙を読むべく階段を上るルインに、階上から覗き込むようにしてクロウディアが声をかけた。いつもの勝色かちいろのドレスに肩にショールを掛けた装...
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第二話 再会そして

第二話 再会そして ウロンダリア、不帰かえらずの地ヴァンセンの丘。「ところでバゼリナ、皆、世界樹せかいじゅの都での戦い以来君の事を聞かないし、こうしてたまにしか姿を現さないが、これはどういう仕掛けになってる?」 幾つかの黒紫の帷幕いばくが広...
『ダークスレイヤーの帰還』

第一話 予感

第一話 予感 ウロンダリアに『二つの世界樹せかいじゅの都』テア・ユグラ・リーアが現れて一ヶ月が経過していた。 魔の国と聖王国は『不帰かえらずの地』におけるベオ・ヤイヴの一氏族しぞく、『ギャレドの氏族』の謎の全滅の真相と、『古都ことの門』の仕...
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特典編・ガリエルは永劫回帰獄に至りて

特典編・ガリエルは永劫回帰獄ネザーメアに至りて ハーダルの地で軍勢ともどもダークスレイヤーに敗れたマスティマ・ガリエルは、暗黒の中を落ち続けている自分に気付いた。(暗い……。何という暗さよ……) ただひたすら落ちている感覚があるだけで、どれ...
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後編・彼らが恐れるのは、あなただけ……

後編・彼らが恐れるのは、あなただけ…… 空を満たす翼ある巨大な人の姿をした存在、光体こうたいとして光の巨人の姿を取ったマスティマ・ダキエルとルギエルは、両手から双方向に伸びた二対四刃の光の剣を持ち、それぞれが光球のように密な剣閃を放ち続け、...
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中編・溶鉄の雨

中編・溶鉄ようてつの雨 宴席にいたマスティマたちは燃える炎の翼を展開し、重装の鎧を感じさせぬ素早さで天に飛び立った。かつてハーダルの主神が座していたであろう玉座にはこの師団の将軍、マスティマ・ガリエルだけが残っている。 ガリエルの髑髏どくろ...
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前編・ハーダルの終焉

前編 ハーダルの終焉しゅうえん 長く栄えた世界ハーダルの大都市、神々の都ラーシュバードはかつての雄渾(ゆうこん)な都市も人々も、そして神々さえも見る影もなく焼き尽くされ、名のある多くの戦士もまた、全て炎に呑まれて同じ運命をたどった。──破滅...
『ダークスレイヤーの帰還』

女神イシュクラダの誘惑

女神イシュクラダの誘惑 月と陰謀いんぼうを司ると語る女神イシュクラダの領域『イシュカの月の園』。 満月と暗月あんげつ、二つの月が浮かび、金銀の百合ゆりが輝く粒子を穏やかな夜風に乗せるこの美しい場で、女神イシュクラダはダークスレイヤーの膝ひざ...
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月の悪女は解き放たれる

月の悪女は解き放たれる──悪女など一人もいません。ただ、受け止められる方がいなかっただけです。──女神イシュクラダの言葉。 永劫回帰獄ネザーメアの中空に浮かぶ、頂上の見えない塔の中。 塔の螺旋階段らせんかいだんを上り続けていた男は長い時間の...