『ダークスレイヤーの帰還』

『ダークスレイヤーの帰還』

第零章 黒曜石の都と、眠り人の目覚め

プロローグ・時の断片プロローグ1・最後の眠り人プロローグ2・少年はその本を読む『ダークスレイヤーの帰還』第零章 黒曜石の都と、眠り人の目覚め
『ダークスレイヤーの帰還』

赤い月シンの魔物

甲虫バルヂム・ギラ 第三章、二つの世界樹の都テア・ユグラ・リーアにおける戦いで、カルツ族の猫の剣士たちが迎え撃ったのがこの甲虫の群れ。甲虫とは呼ばれているが混沌の影響を受けて八本足であり、また正確には菌類に分類されるような生物である。牙と鋏...
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白い女と嵐の古竜

白い女と嵐の古竜 猛烈な嵐が黒灰色の奔流と化した空の中、地上から見ればその視界の限りの空を埋め尽くすほどの巨竜にして古き竜、嵐の古竜ダカルダースは、この空全てをも感知する力で、背後から迫りくる炎の勢子せこと狩人から逃げていた。──しつこい。...
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ディレニスの雪・後編

ディレニスの雪・後編 不確かな闇の中。 サーリャはダークスレイヤーの首に手をまわして力を抜いた。この後の事は全て受け入れ、この男の苦しみを分かち合うつもりでいた。「目を見せて。たとえ怒りや欲に満ちていても、私は厭いとわないわ……」 かつてこ...
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ディレニスの雪・中編

ディレニスの雪・中編 凍てつくディレニスの最高峰、聖山バナンシの凍った地底湖の聖域。 焼け焦げたダークスレイヤーの腕を抱いたサーリャは爆発的な黒炎こくえんに包まれた。熱いという表現では追い付かない、押しつぶされるような激痛。しかし、この激痛...
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ディレニスの雪・前編

ディレニスの雪・前編 無限世界イスターナルの辺境、雪深いディレニスと呼ばれる冷たい世界。その滅んだ神々の王宮、グラネクサル。 氷の女王サーリャは紺と白のドレスのような戦装束に身を包み、左手に剣を握ったまま、眼下に並ぶ氷の巨人の大軍勢を見下ろ...
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蒼い城と、導きの灯火

蒼い城と、導きの灯火 無数に枝分かれした無限世界イスターナルの中でも、特に基軸きじくとなる、光、中間、闇の三千世界の中で、六つの世界に連なる位置に存在する、『ア・シェの六連世界』と呼ばれる地があった。光溢れる二つの世界、中間の二つの世界、そ...
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最果ての星の海、エメレセとマリーシア

最果ての星の海、エメレセとマリーシア 燦然さんぜんと輝く星空の下、暗黒の水面みなもに浮かび上がるように、淡い銀の光を放つ女が目を閉じて慎重に歩いていた。流れるような刺繍も見事な、ぴったりした真珠銀しんじゅぎんのビスチェとかなり短めのスカート...
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ミクタラの一日・後編

ミクタラの一日・後編 世界樹せかいじゅの洞うろの部屋は完全に日が落ち、部屋の各所に置かれた鈴のような花が青白い燐光りんこうを放ち始めている。幽かすかな草花の芳香を放つベッドに横になったフェルネーリは、頬杖をついて脇机のそれを興味深げに眺めて...
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第五幕 月のイシュクラダル、ミゼステとオーランド

第五幕 月のイシュクラダル、ミゼステとオーランド ウロンダリアの遥か上空、二つの月の大きなほう『レダの月』の神都しんとの一つ、イシュクラダル。 外とつ世界と呼ばれるウロンダリアの外、無限世界イスターナルの各所から集まって来た月の民たちの技術...