『ダークスレイヤーの帰還』

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第八話 黒狼サバルの森

第八話 黒狼サバルの森 古ウロンダリア南西『サバルタの古き森』。 全滅したモーダス共和国探索隊の炊事係だった男、ラジャックは深い夢の中にいた。 夏は一面の緑だった森が、冬の近づいた今は葉が全て落ちて緩やかな起伏がどこまでも続いている。そんな...
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第七話 異変と陰謀と・後編

第七話 異変と陰謀と・後編 南方新王国と『サバルタの黒き森』の中間の識外しきがいの地。 ウレド率いるモーダス共和国の密命を帯びた総勢三百名ほどの探索隊は、古き狩猟の神モーンの神像が示唆する問題に対して、『狼を攻撃するな』という厳命を出すのみ...
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第六話 異変と陰謀と・中編

第六話 異変と陰謀と・中編 それは『キルシェイドの眠り人』こと、ルインたちが『二つの世界樹の都』と共にウロンダリアに帰還した頃。──南方新王国、モーダス共和国の水銀鉱山都市ゼイド近郊にある、とある施設。 鉱毒こうどくで荒れた赤茶けた原野のた...
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第五話 異変と陰謀と・前編

第五話 異変と陰謀と・前編 物語は半月ほど前、ウロンダリアに『二つの世界樹の都』が現れた頃にさかのぼる。 古王国、黒き国オーンに隣接する山間の小国シハルの小さな村、クレテ。 大きな山の山腹の段地に存在するその村の、山道からややはずれた小さな...
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第四話 混沌の花の神ヴァラリス

第四話 混沌の花の神ヴァラリス 西の櫓やぐら、大浴場だったはずの未知の領域。『咲き乱れる妖花の女王』こと混沌カオスの花の神ヴァラリスは、チェルシーの介入に大いに狼狽うろたええていた。「この領域にいる私を討伐する気か? しかし、これは我が本体...
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第三話 ヴァラリスの呼び声

第三話・ヴァラリスの呼び声 魔の都、西の櫓やぐら。「ルイン、おかえりなさい!」 シルニィから受け取った手紙を読むべく階段を上るルインに、階上から覗き込むようにしてクロウディアが声をかけた。いつもの勝色かちいろのドレスに肩にショールを掛けた装...
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第一話 予感

第一話 予感 ウロンダリアに『二つの世界樹せかいじゅの都』テア・ユグラ・リーアが現れて一ヶ月が経過していた。 魔の国と聖王国は『不帰かえらずの地』におけるベオ・ヤイヴの一氏族しぞく、『ギャレドの氏族』の謎の全滅の真相と、『古都ことの門』の仕...
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女神イシュクラダの誘惑

女神イシュクラダの誘惑 月と陰謀いんぼうを司ると語る女神イシュクラダの領域『イシュカの月の園』。 満月と暗月あんげつ、二つの月が浮かび、金銀の百合ゆりが輝く粒子を穏やかな夜風に乗せるこの美しい場で、女神イシュクラダはダークスレイヤーの膝ひざ...
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作品紹介

泡の塊の如くに多くの世界が現れては時に消える無限世界イスターナル。 絶対者たちの座す至聖極まる地『界央セトラの地』による秩序で束ねられた、尽きる事のない無数の世界郡。 しかしある時、この無限世界の構造に異を唱え、絶対者たちに唯一反旗を翻し、...