『ダークスレイヤーの帰還』

『ダークスレイヤーの帰還』

白き竜は神聖乙女を乗せて

白き竜は神聖乙女イス・ファルタを乗せて 工人アーキタの都市国家とバルドスタの騒乱が落ち着いた日の未明。 聖王国エルナシーサの薄明の空中庭園の中央に一筋の光が落ち、重厚な聖扉せいひが現れると、神聖乙女イス・ファルタラルセニアと、肩に乗ったイタ...
『ダークスレイヤーの帰還』

第十二話 狂乱の戦乙女

第十二話 狂乱の戦乙女いくさおとめ 南方新王国、炭鉱の町ローンサ近郊の荒野。 対峙していたはずの私掠傭兵団しりゃくようへいだんとみすぼらしい傭兵は空から目を放せなかった。澄んだ青空の只中に、異様な存在感でたたずむ銀の女騎士は、領主や君主が平...
NOVEL

第十一話 災いの予感・後編

第十一話 災いの予感・後編 南方新王国と古王国間の線路上、機関車『鉄の駿馬』特等客室。 鈍色にびいろの肌に二重に響く声、瞳には不思議な幾何学模様があり人間離れした『前期工人ノル・アーキタ』と呼ばれる種族にして、アゼリアの大叔父にあたる男ゲネ...
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第十話 災いの予感・前編

第十話 災いの予感・前編 時間は眠り人が工人アーキタの都市国家に出発した頃にさかのぼる。 雪のちらつく暗い空の下には高い連山があり、それらの頂きに囲まれ、見守られるような高い平地があった。そこだけは多くの建物の窓から漏れる明かりと、尽きる事...
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第九話 翡翠戦争

第九話 翡翠戦争 南方新王国なんぽうしんおうこくから工人アーキタの都市国家ピステに向かう機関車『鉄の駿馬号』。その特等客室のサロン。 あらゆる魔法的な効果を打ち消す鉛によって壁内が守られているサロンの中で、古き民の王族の女性セレッサと、眠り...
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第八話 車窓の内外

第八話 車窓の内外 南方新王国なんぽうしんおうこく、資源生産国ケイメルテ。蒸気機関車『鉄てつの駿馬しゅんめ』内。 深い青色と少しの銀という色合いの制服を着た乗務員の案内によって、眠り人一行は特等の客室へと通された。磨かれた古木の内装は青を帯...
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第七話 鉄の駿馬

第七話 鉄の駿馬 翌朝。 大国『バルドスタ戦教国せんきょうこく』の介入間近の緊張状態にある工人アーキタの都市国家のひとつピステ。ルインと、彼に同行する眠り女たちはアゼリアとチェルシーからこの都市へのやや面倒な行程に関する説明を受けていた。 ...
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第六話 遠く懐かしきラーナ・ハーリ

第六話 遠く懐かしきラーナ・ハーリ 西の櫓やぐら、ルインの部屋。「昔話? おれの記憶に関係があると?」 ルインの問いに、腕輪の姉妹の姉、フリネは無言で微笑んで頷うなずく。一方、隣にいる妹のレティスはフリネとルインの様子を交互に見ていた。「そ...
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第五話 工人と古き民

第五話 工人アーキタと古き民アールン 西の櫓やぐら、大浴場。 白い幔幕まんまくで仕切られた広い風呂で湯につかったルインは、手のひらに小さな黒い火を呼び出して記憶を手繰るように眺めていた。しかし、ぼんやりと思い出されるのは全て激しくも遠い戦い...
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第四話 驚愕の市場、不穏な兆し

第四話 驚愕の市場、不穏な兆し──魔の国、黒曜石こくようせきの大魔城オブスガル。その大広間。 肩をすくめるようなラヴナの言葉に上魔王じょうまおうシェーングロードは無言で頷き、話を続ける。「ラヴナの言う事も同感ではある。まず、この黒曜石の都に...