【最後の眠り人】ルイン

本来なら漂着する予言も無かったはずの【最後の眠り人】。零章において上魔王シェーングロードに『ルイン』という名前をもらう。眠り女ほか非常に多くの女性がいる環境に身を置いているが、無口で全く心を動じさせることがない。記憶を失っているだけでは説明がつかない落ち着きだが、果たして?
黒く煤けた鋼鉄の鎖や、威厳ある骸骨の王を呼び出す、尋常ならざる精神力を持つ、高い運動能力と武器の扱いに対しての経験を持つ、といった片鱗は見えても、基本的に謎ばかりの人物。眠り女たちは夢を経由して彼の心に触れており、本能的に彼を信頼しているが、彼女たちが彼に何を見出したのかも明確には語られていない。
名を消されし者、ダークスレイヤー
本編でしばしば囁かれる、無限世界で最も恐れられる存在。現行世界の神々の律を嘲笑い、これを躊躇なく破壊し、多くの神々や絶対者たちを屠ってきたとされている。神々の牢獄たる永劫回帰獄を征して現世に戻り来た存在であるため、最も自由な意思を持つ存在とも。しかし、物語が進むごとにダークスレイヤーとウロンダリアの意外な関係が浮上してくる。
眠り女たち
アロンダリアにたまに漂着する『眠り人』。かつては彼らを目覚めさせる眠りの巫女と呼ばれる人々もいたが、予言の成就と長い平和で彼女たちは失われてしまい、予想外の漂着であった眠り人ルインに関しては、夢を扱う上位魔族リリムの姫、チェルシーが選別した女性たちがこの役割を果たした。眠り人ルインがこの世界に対応して言葉や精神性を理解できるのも、彼女たちが夢を経由して彼に触れる『夢繋ぎ』を行ったからとされている。ここでは、少なくない彼女たちを紹介する。
『夢魔の姫』チェルシー・ネア
上位魔族でも数の少ない夢魔リリムの女性。『夢繋ぎ』を行う前はとても長い聴色の髪に黒紫のドレスを着こなした、気だるげな美女だったらしい。南西新王国の砂漠の交易都市ルバールにて『夢の渚』という夢を経由して亡き人と出会える商いをしていたが、この仕事は彼女の魂を蝕んでもいき、『泣き女』と呼ばれる良くない状態になりかけていたが、見いだされてすぐの眠り人ルインの夢に潜った結果、遠い昔の少女のような姿を取り戻したと言われている。その夢の中で何があったかを彼女は決して語らないが、ルインの事は『ご主人様』と呼んでおり、女性や対処すべき問題の多い眠り人ルインに対して、いつも的確な助言を行っている。また、本来なら上魔王の妃たる『魔后』の候補でもあり、その魅力も能力も極めて高い事が示唆されている。実際に、第零章で戦いに長けているはずの『銀の戦狼』ミュール相手の戦いでは、まるで武芸指南のような一方的な戦いぶりを空の上でやってのけた。多くの秘密を知っていそうな非常に謎の多い女性でもある。
『メティアの姫君』ラヴナ・ザヴァ
『女なる魔族』『古き女魔』などと呼ばれる魅力あふれる女の魔族メティアの、非常に勢力の強いザヴァ氏族の姫の一人または一柱。ルビーのような大変に美しい赤髪をしており、値段がつけられないような黒曜石の生地のワンピースを着ている事が多い。メティアたちは高い変身能力を持ち、その本来の姿は極めて豊満な肢体の女性で、竜のような翼と角を持ち、従者たる大きな獅子を連れている事が多いが、古代から『ラヴナ姫は大変な恥ずかしがり屋である』との言い伝え通り、その豊満な姿を見せた事はなく、若い人間の女性に近い姿を取っている事が多い(それでも少し露出度は高いが)。ラヴナは本来ならば上魔王の妃候補の筆頭だったが、上魔王が一人としか婚姻を結ばなかったため、長い間哀しみに暮れていたとされる。軽く親しみやすい言動とは裏腹に、実は魔の国においては相当に家格が高く、本人も大変な読書家だが、それを表に出す事は滅多にない。
『影人の皇女』クロウディア・クロウ
『影の帝国インス・オムヴラ』の皇女。影人にとって『真の名』は存在そのものであるため、この名前は仮の名前の可能性が高い。彼女は混沌戦争における大英雄かつ眠り人のカップル、影人の皇帝ダーサと幻惑の踊り子マヌという奇跡的な夫婦の娘であるため、影人でありながら人の生身の身体も持っている。これは彼女の母マヌの眠り人としての力『恋人』が、普通なら結ばれぬ者同士が結べるようになる力を持っていたため。人としての彼女は薄水色の瞳に勝色の艶を持つ黒髪をした華奢な女性だが、影人としては非常にたくましい身体を重ねて持っており、このため華奢な見た目で片手半剣と曲剣を華麗に振り回せるほか、影人の暗黒騎士団では『鴉の師団』の師団長という実力者でもある。
影の帝国は保管していた最悪の混沌武器『愚者の大剣』の制御不能により現在は封印されてしまい、彼女とごくわずかの影人だけがウロンダリアに残っている状態で、しばらく身を隠す事も提案されていたが、長い間混沌戦争の終結と平和と武力を象徴する彼女は、一人ではどうにもならない状況の挽回を漂着した眠り人に見出しているふしがある。
『聖餐教会の教導女』シェア・イルレス
眠り女の中では相当に経験豊富な聖職者で、宗教団体というよりは巨大な慈善団体に近い『聖餐教会』の司祭及び指導を行う『教導女』の資格を持つ女性。南の大国で盛んに信仰されている『水と慈悲の女神シェアリス』に『純潔の誓い』という誓約を立てており、これを守っている事により普通の司祭よりも規模の大きい祈願が届く。物腰柔らかで優しい言動が多く、感じの良い女性だが、実は身体能力も大変に高い事が窺い知れる行動が見られる。チェルシーの話によれば無実の罪でお尋ね者にされている、との事だが?
幼少期に大変なトラウマを抱えているようで一部の記憶がなく、また背中は傷だらけであり、背中の見える衣装を着る事はない。
※現在ここまで。随時更新していきます。
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